ヒプノセラピー(催眠療法)とは

ヒプノセラピーとは、イメージの力を使って、潜在意識(無意識、日常で気付かない広大な意識)に繋がる、イメージ療法という心理療法の分野のひとつです。

「催眠」と呼ばれ、「眠」という漢字が付く事で「睡眠」……つまり寝ている状態と思われる方も多いようですが、眠るわけではありません。目をとじて横たわっているので、そう呼ばれるようになったそうです。

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そんなヒプノセラピー。
実は、あなたの奥底にある潜在意識と繋がるすごいテクニックなのです。

「眠っている訳ではないけど、潜在意識と繋がる…それって一体、どういう感じなの？」
と思いますよね。

催眠状態は、「脳波」で分かります(図参照)。
私たちが目覚めて活動している時は、だいたい「ベータ波」という状態になっています。眠っている状態は「デルタ波」です。
催眠状態では「アルファ波」、かなり深い催眠なら「シータ波」と変化します。

脳波だけでは分かりづらいですが、実はもっと身近に、あなたが体験している「アルファ波・催眠状態」が存在します！

たとえば、映画やドラマを観て、主人公に感情移入しながら涙を流している時。
本や趣味に没頭していて、周囲の物音に気付けない時。
ぼーっとしながら運転しているのに、きちんと家に着いている時。
スポーツや山登り等に打ち込んでいる時、苦しいはずなのに急に苦しさがなくなり、体が自然に動く時（ゾーンともいいます）。
空の青さや道端の花の美しさに感動し、「この世界は美しい」と感じる時。
あなたは、そんなとき「アルファ波」状態になっているのです。

さらに朝や夜、またはお昼寝で、私たちは「シータ波」状態にもなります。そう、睡眠と覚醒のちょうど中間の、まどろみの時間です。

今挙げた状態は「瞑想」の状態とほぼ同じ。

ヒプノセラピーとは、ある意味、瞑想と同じ状態。
ガイドの誘導に合わせて行う「瞑想」です。

ただし、瞑想中にはぼうっとするので、あまり深い情報は引き出せないもの。
そこでセラピストの出番です。
あなたの瞑想を隣でサポートしつつ、より深く、より核心に触れる道へと導いていくのです。

潜在意識(せんざいいしき)と顕在意識(けんざいいしき)と言う言葉は、普段の生活では耳慣れないですよね。

顕在意識と潜在意識のたとえで、分かりやすいのは「氷山」です。海に浮かぶ氷山は、海上に出ている山がほんの一部分。海にもぐっていて見えない部分はその何百倍、何千倍もあります。

映画にもなった「タイタニック号」の沈没は、この氷山にぶつかったことが原因でしたね。
海上に出ている氷山は小さいので、ぱっと見ただけでは、ほんの小さな氷が船と衝突しただけのようですが、海中にもぐっている部分は果てしないほどの大きさの山。
それゆえ、タイタニック号のダメージは凄まじく、沈没に至ったのでした。

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この「タイタニック号」の事実は、本来の「潜在意識」「顕在意識」の本質にとても似ています。

「顕在意識」より「潜在意識」のほうが広大で深く、そしてそのパワーはとてつもないのです。

実は、潜在意識の中には、今までの記憶…それは今の自分だけではなく、人間一人の能力を遥かに超えた、全世界の知識や記録、真実などが入っています。
顕在意識という「普段の状態」とは全くレベルが違うとてつもない力を秘めているのです。

「火事場の馬鹿力」という言葉が日本にはありますが、これも緊急時に潜在意識と繋がったことで発揮された能力と言えます。
その影響力にタイタニック号は接触したのです。海に浮かんだ流氷にぶつかるのとは、訳が違いますよね。

 船だけでなく、人間も同じです。
「顕在意識」より「潜在意識」のほうが、比べ物にならないほど影響力が大きい。
顕在意識でどうしようもない悩みや不安や問題も、潜在意識ならその「答え」を知っているのです。
「そういう問題を起こしているのは自分自身だった」という真実を、自分で思い出したり、腑に落ちたりするのです。
 

 催眠・ヒプノセラピーは、このとんでもない大きさの「潜在意識」に、直接アクセスするテクニックです。
そのため、通常のカウンセリングやリラクシング等より遥かに効果的で、現実に反映されるスピードも早いのです。

今までの説明を分かりやすくイラストにしたのが、右側の図(催眠療法の効果の仕組み)。

例えるならば、汚れやカビなどがタイルの目地にしみ込んで取れづらくとも、浮き上がらせてしまえば、洗い流せますね。そんな感じです。

でも、白いタイルに白いカビなら？
もしかすると、カビにも気づいていないかも。

そういうものに気づき、浮き上がらせ、どうするかを「あなたが」決められる。
それこそがヒプノセラピーなのです。